DMXとは
舞台照明やイベント演出で使われる「DMX」は、照明機器をデジタル信号で制御するための通信プロトコルである。正式には「DMX512」と呼ばれ、1本の信号線で最大512chの制御が可能とされている。
DMX照明は通常は、DMX対応の照明卓を用いて操作する。しかし、PCからもDMX信号を出力することは可能であり、たとえば「Q Light Controller+」のようなフリーソフトを使用すれば、パソコンと安価なインタフェースを組み合わせることで、柔軟かつ低予算で照明制御が行える。
ちゃんと買うと高いUSB to DMXアダプタ
PCからDMX信号を出すには「USB to DMXアダプタ」が必要となる。だが、既製品を購入しようとすると、安価なものでも3,000円前後、本格的なものは1万円を超える。
安くてQLC+で動作するアダプタを探していたのだが、そのような製品を探している間に以下のような記事を見つけ、自作してみることにした。
[参考記事:USB to DMXアダプタの自作方法(外部リンク)]
https://lightingkizai.com/blog-entry-186.html
DMXアダプタの設計
自作にあたっては、参考にした記事と同様に「RS485変換ボード」を選定した。このボードは、USBシリアル変換チップとRS485ドライバを組み合わせたもので、PCから送られたデータをDMX信号に変換する役割を担う。

DMX出力側の端子には、NEUTRIKの3ピンキャノンコネクタを使用した。このコネクタにはパネルとネジ止めするためのネジ穴がついている、

これらの部品を収めるケースは、レーザーカッターで自作することにした。基板上のLEDが動作中に点灯するため、上面は透明の3mmアクリル板を採用し、内部が見えるようにした。側面は4mmのMDFを使った。
設計は使い慣れているFusion360を使用した。組み合わせ部分は設計段階で0.1mmほど余裕を持たせ、ぴったりと嵌まるようにしてある。その結果、接着剤を使わずともケースとしての形を保てるようになった。




