経年劣化によるスピーカーの不調
サークルで使用している返しスピーカー(Classic Pro CP10M)の接続端子が不調になっていた。これらのスピーカーは、ライブ時にステージ上の演者に音を返すために使われる「モニター」用途のパッシブスピーカーで、接続にはスピコン(Speakon)と呼ばれるロック付きの端子が使われている。
スピコン端子は、差し込んで回すことでしっかりとロックされ、演奏中に抜けることを防いでくれる。しかし、長年の使用で摩耗してしまうとロック機構が効かなくなり、軽く引っ張っただけで抜けてしまうようになる。現に、夏ライブではリハーサル中に音が出なくなるトラブルが発生していた。

当初はケーブルの劣化だと考えていた
最初はスピーカーケーブル側の端子が不安定なのではないかと考えた。日頃お世話になっているPAエンジニアに相談したところ、「スピーカー側のコネクタが摩耗している可能性が高い」と指摘を受けた。実際に他のケーブルとの組み合わせを試した結果、原因はスピーカー側にあると判断し、端子を交換修理することにした。
部品の選定
Classic Proのスピーカーは側面のプレートがネジ止めされており、分解・修理が可能である。一度開けて確認し、現状と同等の端子として、NEUTRIK社の「NL4MPXX」が互換性のある部品と判断した。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/287440/
この部品を各2個×4台=8個 購入。1つ約300円で、合計2,400円ほどとなった 。
修理方法
- スピーカー裏面のネジを外し、端子プレートを取り外す。
- 既存の端子を外し、スピーカー内のケーブルを確認。
- 新しいNL4MPXXにケーブルを向きに注意してはんだ付けし直す。
- 端子を固定して元通りに戻す。
一度試験的に1台だけ修理して動作確認を行い、問題なかったため残りも同様に交換した。



修理結果
端子交換後は、スピコンケーブルの接続が非常に安定し、ロック機構も正常に機能している。これにより、設営時の接続確認の手間が減り、リハーサル中の音切れトラブルもなくなった。
一部のスピーカーでは、以前は+と-を誤って逆向きに接続できてしまうという危険な状態だったが、それも改善され、安全性が向上した。2,400円で使用に不安のあったスピーカーを修理することができた。

おまけ:マイクケーブルも少し修理した
ついでに、ネジが失われて接触不良を起こしていた練習用のマイクケーブルもいくつか修理した。また、本番用マイクケーブルの識別用として、色別のブッシングも追加購入。特に緑色のブッシングは既存のケーブルと色の対応がずれており、現場での混乱を避けるために交換を進めた。