Pixel端末の横画面で5・6番チャンネルをミュートしているAndroidアプリ

X Air Mute Controller — ステージ袖から操作するデジタルミキサー用ミュートアプリ

概要

アカペラバンドの転換時に、ステージ袖からデジタルミキサーのチャンネルをミュート・解除するAndroidアプリを制作した。持ち込みマイクを抜き差しする間は、意図しない音が出ないよう該当チャンネルをミュートする必要がある。音響担当者だけに操作を集中させず、転換に関わる人が自分で安全に操作できることを目指した。

背景・目的

ライブ転換では、短い時間にマイクの抜き差し、立ち位置の移動、次の演者の準備が重なる。ミキサーの細かな画面を開いて操作するのは、音響に慣れていない人には難しい。必要な操作を「このチャンネルをミュートする/解除する」だけに絞り、ステージ袖へ常設できる操作画面を作ることにした。

制作で考えたこと

正確なミキサー制御より先に、急いでいる人が迷わず押せることを優先した。横向き・フルスクリーンの画面へチャンネル1〜8とAllを大きく配置し、特に使用頻度の高いBassとPercussionは目立たせた。通常のアプリらしい多機能な設定画面より、現場で一瞬で判断できるUIを選んだ。

実装・制作内容

KotlinとJetpack Compose Material3でAndroidアプリを実装し、LAN内のミキサーへUDP OSCを送る。チャンネルごとに/ch/%02d/mix/onを送り、0をミュート、1を解除として扱う。IPアドレスを入力して接続先を決め、各ボタンは操作結果が視覚的に分かる状態表示を持つ。画面は横向きに固定した。

横向きのPixel端末内に表示したX Air Mute Controller
ステージ袖で端末を横向きに置いて使う想定の端末フレーム合成。

結果・学び

現場向けの道具では、機能を増やすより、役割と操作の責任範囲を明確にする方が有効なことがある。音響の専門操作をすべて置き換えるのではなく、転換に必要な一操作だけを切り出すことで、チームの動きを支えるアプリにできた。